遺産隠し・使い込みの相談がしたい
このようなお悩みはありませんか?
- 「不動産や株式があるはずだが、どこに情報があるのかわからない」
- 「預金があると思うが、銀行名や口座番号が不明だ」
- 「遺産分割協議が終わった後に、遺産隠しが判明した」
- 「高齢の親と同居していた兄が、親の預金を使い込んでいた」
- 「故人が所有していた賃貸不動産の賃料を、他の相続人が無断で受け取っていた」
ある相続人が被相続人の現金を無断で使い込んだり、預金を勝手に引き出すなど、遺産隠しをしているケースがよく見られます。
例えば被相続人が既に認知症をり患して、施設に入所していた時期に、100万円単位の出金が連続してなされている等の事実を通帳の履歴などから確認できる場合は、通帳を管理していた者に対する不当利得返還請求により、仮に当該使い込みがなければ相続人各自が、本来取得できた金額相当額を取り戻すことになります。
また、あらたな遺産が判明した場合には、その部分について再度、遺産分割の手続をすることになります。
相続財産調査について
遺産分割協議を行うためには、被相続人が死亡時に所有していた財産を調査する必要があります。
遺言書があったとしても、すべての相続財産が記載されているとは限りません。
財産調査は、相続税申告があるかどうかを調べたり、遺留分侵害額を請求する場合にも必要になります。
また、借金などマイナスの遺産が多そうな場合には、相続放棄または限定承認をすべきか判断するためにも、債務を含めた相続財産調査をする必要があります。
相続税申告は相続開始を知ってから10ヶ月以内、相続放棄は3ヶ月以内に行う必要があります。
相続財産の調査は時間がかかるので、できるだけ早く着手することが重要です。
相続財産調査で必要となる書類
まずは、自宅や貸金庫などを探して、被相続人の財産状況がわかる資料(通帳、登記事項証明書、金融機関からの通知書など)がないかを確認します。
次に、各機関に問い合わせをする際に必要となる書類を集めます。
①被相続人の戸籍謄本、除籍謄本(出生から死亡まで)
②被相続人の住民票の除票
③相続人の戸籍謄本、印鑑証明書
④相続人の身分証明書(免許証、健康保険証、マイナンバーカード、パスポートなど)
金融機関ごとに①の書類を全て提出するのは手間がかかるので、管轄の法務局で法定相続情報一覧図の認証の手続を行い、法定相続情報一覧図を取得しておくと便利です。
調査の対象となる財産の種類
一般的に、財産調査の対象となる財産は以下のようなものです。
- 預貯金
- 貸金などの金銭債権一般
- 借地権や借家権
- 受取人を被相続人本人に指定した生命保険
- 株式(株主としての地位)
- 投資信託
- 有価証券
- ゴルフ会員権
- 不動産(登記の有無を問わない)
- 車両
- 貴金属その他の動産類
- 債務(ローン、借金)
なお、相続財産ではありませんが、生命保険金、損害保険金、死亡退職金など受取人が指定されているものは、相続税の課税対象となる財産になるので、お早めにご確認ください。
弁護士に依頼するメリット
被相続人のすべての財産を家族だけで調べようとしても、どう調べたらいいかわからず、金融機関や役所に何度も出向いているうちに、期限が迫ってしまうことも少なくありません。
弁護士は職務上、他人の戸籍や住民票を取り寄せることができ、金融機関への情報照会も可能なので、相続財産調査を早く正確に進めることができます。
弁護士にご依頼いただくことで、相続財産調査にかかる手間と労力を削減することができます。
不当利得について
不当利得とは、法律上の原因のない利得を意味し、相続の場面では、一部の相続人が、被相続人の生前、同人に無断でその財産を使い込んだ結果、被相続人の死後に、他の相続人の取り分が少なくなってしまうことを意味します。
不当利得返還請求訴訟は、過去の一時点での使い込みの有無を判断するため民事訴訟手続であり、家庭裁判所ではなく地方裁判所に提起します。
使い込んだ生前の財産を取り戻す不当利得返還請求
通帳などを管理していた相続人のうちの1人が、被相続人の生前の財産を使い込んだ場合、本来遺産を相続できるはずの相続人は、使い込んだ人に対して遺産を返すよう求める「不当利得返還請求」をすることができます。
まずは、通帳等の出金について使途を確認する必要があります。
預金等を引き出した相続人は、「預金を引き出してない」「故人に頼まれた」などさまざまな主張をするでしょう。それが事実であれば不当利得にはなりませんが、説明に矛盾があれば不当利得が疑われます。
事実関係を確認した結果、不当利得があった場合は、不当利得返還請求で遺産を取り戻す手続をします。
訴訟では、不当利得があって損害を被ったことを示す証拠が必要になります。
なお、不当利得返還請求で取り戻せる遺産の額は、請求する相続人の法定相続分までとなります。
弁護士に依頼するメリット
不当利得をめぐるトラブルは、まずは当事者同士で話し合いをしますが、解決が難しい場合は、弁護士に相談されることをおすすめいたします。
弁護士が間に入ることで、話がまとまる場合もあります。
訴訟になった場合は、不当利得があったことの立証や証拠の収集は当事者のみですることは難しいため、弁護士によるサポートは欠かせません。